実験内容について
物理学基礎実験の内容は、巡回実験、一斉実験、パーソナルデスクラボPDL実験、放射線実験の4つに分けられます。ここでは、それぞれの実験内容について説明します。
巡回実験
巡回実験は、全部で21テーマ用意されています。各テーマは、それぞれアルファベットで区別され、1テーマにつき3台の実験装置があるので、2人x3台=6人が同じ実験を行うことになります。実験室は総合校舎E号館2階の西側で、各部屋にアルファベットの札がかかっています。
- ボルダの振子による重力加速度の測定
- 容量および自己インダクタンスの測定
- ダイオード・トランジスターの特性の測定
- ユーイングの装置によるヤング率の測定
- フランク・ヘルツの実験
- 弦の共振による交流周波数の測定
- 光の干渉・回折・偏光の実験
- ねじれ振子による剛性率の測定
- ジョリーのばねばかりによる表面張力の測定
- クントの実験によるヤング率の測定
- リサージュ図形を描く実験
- 電子の比電荷の測定
- ガラス・水・アルコールの屈折率の測定
- 位相差検出による空中音速の測定
- GM計数管による放射線の測定
- 三極形光電管によるプランク定数の測定
- ディジタルICによる論理回路を組む実験
- サールの装置によるヤング率の測定
- 電流による熱の仕事当量の測定
- 共振回路による液体の比誘電率の測定
- ホイートストンブリッジによる抵抗値の測定
一斉実験
一斉実験は、全部で10テーマ用意されています。1テーマに付き約30台の実験装置が用意されています。ここでは、全員が2人一組で同じテーマの実験を行います。実験室は総合校舎E号館2階の東側E233教室です。
- 長さと金属の密度の計測
- 等電位線の測定
- 固体の比熱および原子熱
- トランジスタの特性
- ボルダ振り子による重力加速度の測定
- オシロスコープ(リサージュ図形を用いて音叉の周波数を測定する)
- 共振回路(LC回路の共振特性を調べる)
- 光の実験I(屈折と偏光)
- 光の実験II(回折)
- 弦の共振(弦の共振現象を調べる)
パーソナルデスクラボPDL実験
パーソナルデスクラボPDLは千葉大学で新しく開発された、一人一台の実験装置で実験を体験できる小型の実験装置です。以下のテーマについて、自分自身で実験装置を組み立てながら実験をすることができます。
1 光の実験 |
回折・干渉 偏光 屈折・反射 |
2 電場の実験 | 等電位線の測定 |
---|---|---|---|
3 磁場の実験 |
磁力線 ホール効果 電流が作る磁場 磁場が作る電流(電磁誘導) |
4 力の実験 |
単振り子 コマの運動 バネや弦の振動 |
5 熱の実験 | 熱電子放出 |
パーソナルデスクラボPDL実験についての簡単な紹介が、以下で見られます。
動画コンテンツ
オープニング
PDLの特長
PDLの概要
光のPDL実験
電場のPDL実験
磁場のPDL実験1
磁場のPDL実験2
力学のPDL実験
このロゴについて
ムービー製作スタッフ
放射線実験
放射線に関する実験は、実験装置が高価であることや放射線源の取り扱いの点などから、通常はあまり学生実験には取り入れられないが、千葉大学では多くの学生が同時に放射線に関する基本的な実験が行えるような実験装置を開発しました。物理学基礎実験IIIで行う1から4までのテーマは、1と2、3と4を組み合わせて行うことによって、64人が同時に実験することができます。5から8までのテーマは、6人程度が2人一組で実験します。
- CsIシンチレーターによるγ線の強度と減衰長の測定
- プラスチックシンチレーターによるβ線の強度と減衰長の測定
- 波高減衰回路を用いたγ線エネルギーの測定
- 電磁石を用いたβ線運動量分布の測定
- 60Co/22Naの放射能絶対値の測定
- 2個のプラスチックシンチレーターを用いた宇宙線μ粒子強度の測定
- CAMAC ADC測定器を用いたγ線エネルギーの測定
- CAMAC TDC測定器を用いたγ線速度の測定