評価諮問会議提言
杉森 みど里・前群馬県立県民健康科学大学学長(評価諮問委員長)
(1)大学間連携取り組みの全体を通じた中間的評価
4大学とも、学長をはじめとした関係者全員が本取り組みの意義を認識し、それぞれの組織内の障害を克服して、目標に向かって積極的に取り組んでいる点を評価する。今後においても、この姿勢を維持し目標達成を果たすことを期待する。
(2)取り組みの中長期的な課題設定について
今後の取り組みに向けた課題設定は、焦点を絞ってより明確な重点的課題を再設定することで質的充実を目指して欲しい。
(3)取り組みの内容について [1]外国語教育について
他大学或いはNHKの講座などが開講していない言語の講座こそ、学生の潜在的な学術的興味に応えられ、また受講者にとっても10年後20年後に花開くような教育的刺激となる。千葉圏域コンソーシアム参加各大学がその特色を活かして、受講生が滅多に遭遇できない希少価値のある少数言語の講座開講に、これまで以上に配慮できれば、受講生に貴重な学習機会を提供できる。
(4)取り組みの内容について [2]外国文化教育について
学生は知るチャンスをどのように獲得するのかという方法を適切に学習すれば、自分自身の関心に従って学び成長することができる。従って外国文化教育についてもその国が歴史的に経験した負の側面、悲惨な側面についても、学ぶ機会を提供する必要がある。具体的には、現在の外国文化を知る上で、多くの場合、植民地支配ないし被支配の経験を排除して理解することはできない。異文化に対する先入観を極力避け事実から考えようとする次世代を育てるためには、省略・削除すべきではない。また、来るべき「アジアの時代」に備えるには、一見先進国の流れから取り残されたような国々の歴史及び文化を理解し、それらが影響を受けた植民地支配の経験を含めた外国文化教育の充実が、世界を正しく認識することを助ける。これらは今後本取り組みの目的を達成するために重要な基盤と考えたい。