千葉大学は、「つねに、より高きものをめざして」を基本理念として、国際社会で活躍できる次世代型人材(高度な専門的知識と倫理感を基礎に、自ら考え行動し、国際社会の様々な分野においてリーダーとして活躍できる人材)の養成を目指しています。
今世紀に入り、テクノロジーは急速に進歩し、グローバリズムも著しく進展しています。世界では、個人の属する国や地域を越えて、経済格差や環境問題に代表される様々な課題が生起されています。
こうした多様化し複雑化する社会を的確に捉え、かつ、しなやかに適応できる力を身につけた研究者あるいは高度専門職業人となるには、自身の分野の専門知識を深めるだけでは十分ではありません。分野を越えた専門知と新たなリテラシーを総合した実践知を獲得することで、課題を意欲的に克服し、問題を対象化し、価値を新たに創造できる人材となることが可能になるのです。
そのための大学院教育改革の一環として、令和元年度より大学院共通教育を導入しています。
大学院は、伝統的には、研究者養成と高度専門職業人養成を担うものとされてきました。しかし現代では、それらに加え、大学教員の養成、および知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の養成も期待されています。このような背景もあり、本学では、①研究者としての素養を養うために、自律的・自立的・組織的に研究を行うにあたって基盤となる資質・能力を高める教育を、②高度専門職業人としての素養を養うために、社会経済の各分野において指導的役割を果たすとともに、国際的にも活躍できる高度な専門的能力を磨く教育を、③大学教員として、そして知識基盤社会を支える多様な人材としての素養を養うために、自身の専門的知識・技能・経験を他者にわかりやすく伝え、他者や組織の成長を促す能力を涵養する教育を、大学院共通教育科目として提供しています。
自律的・自立的・組織的に研究を行うにあたって基盤となる資質・能力
自身の専門的知識・技能・経験を他者にわかりやすく伝え、他者や組織の成長を促す能力
社会経済の各分野において指導的役割を果たすとともに、国際的にも活躍できる高度な専門的能力
千葉大学大学院共通教育は、全学開講科目と研究科・学府開講科目の2種類から構成されており、それぞれの科目は下記に基づき、8つの科目領域に分類されます。
他者との協働を深化し、成果を発信するため、研究や実務で中核となる対人・メディアコミュニケーションスキルを養成するための領域
データ駆動型社会で新しい価値を生み出すため、基礎となる数理・AIの知識、多様な学問分野や実践領域におけるデータ分析・活用の専門スキルを修得するための領域
研究倫理や知的財産権についての基本的な理解、多様なステークホルダーとの連携やリスク管理、研究プロジェクトの効率的な進行と管理のための戦略や手法を修得するための領域
社会や地域の問題認識を深め、地域コミュニティや企業と協働し、研究成果を実社会に適用するための、アントレプレナーシップや知識・技術を修得するための領域
社会の様々な分野においてリーダーに求められる「知のプロフェッショナル」の育成に向けた、複眼的なキャリア教育を実施する領域
多様な背景を持つ人々との連携・協働を通じて、新しいアイデアを生み出すクリエイティブな思考やアイデアの具体化と実現のプロセスを学修する領域
将来の大学教育において指導的な役割を担いうる人材の育成のために、教育指導能力及び教育企画・運営能力を向上させるための領域
異文化理解と国際的な視点から、グローバルな環境での協働を通じた問題解決能力やリーダーシップを育成するための領域